火災保険は申請したからといって、全て認められるとは限りません。減額や否認されてしまった場合にどうすればいいのか。対処方法など合わせて解説していきます
・火災保険を申請する方法と手順
・保険申請する時のコツと注意点
・減額されてしまった時の対処方法
火災保険を申請(請求)方法と手順
まずは基本的な保険申請の手順を解説していきます。(申請手順)
まず建物などが被害に遭った場合は、保険会社や代理店へ事故受付を行います。(連絡先は保険証券などに記載してあります)この時に担当者から「事故日」「事故状況」などについて、簡単にヒアリングがあるので回答します。
その後、保険会社から「保険金請求書」と「事故内容報告書」の2種類の書類が送られてきます。
次に保険会社へ提出する下記2点の書類を用意します。
リフォーム会社や火災保険申請サポートなど、専門業者に依頼して作成してもら。
- 修理見積書
- 被害箇所の写真
手順1にあります『保険金請求書と事故内容報告書』を記載して、手順2の『修理見積書、被害箇所の写真』を合わせて保険会社へ提出します。
提出した書類を基に保険会社による審査が行われ、書類だけで判断できなかった場合は、鑑定人による現地調査が必要な場合があります。
保険会社から審査結果が通知されます。問題なく認められた場合は、1週間程度で指定の口座に保険金が振り込まれます。
減額や否認されてしまった場合には、諦めて承諾されるか、納得いかない場合は追加書類を提出するなど対応が必要となります。
申請して保険金がもらえるまでの時間の目安
申請してから保険金を受け取れるまでの時間ですが、平均的に申請してから1ヶ月程度かかることが多いです。しかし、保険会社が混み合ってる場合や、現地確認が必要になった場合などは最長3ヶ月程度かかることもあります。
火災保険申請(請求)5つのコツと注意点
火災保険を申請をする時のコツを5つ。それぞれについて詳しく解説していきます。
コツ1:事故からすぐに申請する
まず最も重要なのが、被害に遭ったらすぐに申請するということです。
「忙しい」「面倒くさい」などの理由で、申請を先延ばしにされる方もおられます。しかし、被害から時間が経つほど、経年劣化との区別がつきにくくなるため、認められにくくなってしまいます。
コツ2:Googleストリートビューを確認する
事故日が明確に分からない場合は、必ず事前にGoogleストリートビューを確認するようにして下さい。Googleストリートビューは、同じ場所でも過去に遡って見ることができます。
そこで「◯年◯日時点で壊れていなかった」と確認できれば、それが保険期間内の事故である明確な証拠になる場合があります。
コツ3:鑑定人の否定的な言葉に納得しない
保険申請後に、保険会社から依頼された鑑定人が、現地確認に来ることがあります。その際に、「かなり経年劣化してますね」などと、否定的な意見を言われても、安易に同意してはいけません。
全て聴取を取られているため、経年劣化を認めたと判断されてしまう可能性があります。仮に多少の経年劣化があったとしても、最終的な原因が自然災害などで突発的に起こった事故であれば補償対象となります。
鑑定人という肩書に惑わされず、しっかりと理屈を主張することで、結果が変わります。
コツ4:代理店を通して申請する
担当者が協力的な場合は、先に代理店に相談するのも1つの手です。保険会社よりも、親身になって相談に乗ってくれる可能性があります。しかし下記のような注意点もあるため、慎重に判断するようにしましょう。
- 被害の調査はしてくれない
代理店は被害の調査まではしてくれません。基本的には、加入者自身で気付いた被害の事故受付をするまでが仕事です。「気になるから見てほしい」というのは対応してもらえず、第三者の業者を呼んで調べる必要があります。
- 建築知識については詳しくない
代理店は保険の販売が主な業務になるため、建築知識についてはあまり詳しくないのが一般的です。そのため、見積もりの妥当性などについては、判断できません。
- 代理店の本音
多くの代理店が、本音では保険申請をしてほしくないと考えています。なぜなら、代理店には「損害率」という指標があり、評価が下がるからです。
- 新規契約の獲得→評価が上がる
- 保険金の支払い→評価が下がる
つまり、代理店と加入者は、完全に利害関係が逆ということです。
コツ5:火災保険申請サポートを使う
立場的に完全に加入者の味方なのは、火災保険申請サポートのような第三者の業者です。
火災保険申請サポートは基本的に成果報酬としている業者が多いため、加入者側に立ってサポートしてくれます。また、多くの事例を知っている専門家に依頼することで、申請漏れを防ぎ、適切な保険金を受け取れる可能性が高くなります。
減額や否認された時の3つの対処方法
減額や否認されてしまった時の対処方法3つ
対処法1:追加書類を提出する
まず第一に考えられるのは、追加書類を提出するということです。
再鑑定の依頼をアドバイスする業者もいるようですが、余計に時間がかかるだけであまり意味がありません。基本的に鑑定人が変わっただけで、結果が変わるというのは考えにくく、結果を変えるには技術的な理屈を説明する以外にありません。
対処法2:お客様センターに相談する
事故受付の窓口ではなく、お客様センターに相談する
保険会社も担当者によって対応に差があるケースも多く、たらい回しにされたり、きちんと話を聞いてくれない場合があります。大手損保であれば、基本的に事故受付とは別の窓口があり、そちらに相談することで担当者を変えてもらえたり、円滑に対応してくれる場合があります。
対処法3:そんぽADRセンターに相談する
どうしても納得がいかないという場合には、そんぽADRセンターに相談する
こちらでは、損害保険会社とのトラブルが解決しないという場合には、問題解決に向けて支援してもらうことができます。
保険金が支払われない3つのケース
保険金が支払われないケース3つ
ケース1:経年劣化と判断された
経年劣化による被害は補償対象とはなりません。
本当に経年劣化による被害かの判断は非常に難しいため、申請前に専門家に調査してもらうことをお勧めします。
ケース2:請求期限が過ぎている
火災保険の請求期限は3年と定められています。
被害から3年を過ぎると補償を受けられなくなるため、被害に遭った場合は速やかに申請するようにしましょう。
ケース3:契約内容の問題(補償対象外・免責など)
適切な補償が付いていなかったり、高額な免責金額(自己負担額)が設定されている場合
契約内容の問題で、補償が受けられないという方は非常に多いです。いざという時に、しっかりと補償が受けられるように、事前に自身の契約内容を把握しておきましょう。
まとめ:火災保険を申請(請求)する時のコツと注意点
今回は、火災保険を申請する時のコツと注意点について解説しました。状況に応じて注意点は変わってきます。被害の発見や原因の特定はもちろん、一度申請して減額されてからでは対応が難しくなるケースが多いです。そのため、まずは専門家に相談してから、サポートを依頼するか自分で申請するか選択することをお勧めします。
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