一般的に風災と呼ぶよりも強風や突風などと呼ばれる方も多いと思いますが、風による被害は風災と呼ばれ、火災保険の対象となります。
この記事では風による影響で損傷を受けた場合にどのように保険が受けられるのかをご説明していきます。
・風災とは?
・補償の内容を詳しく
・風災補償が受けられない時とは?
・火災保険の申請方法、手順
風災とは?
風災とは、台風、旋風、竜巻、暴風等により生じた損害のことをいいます。こうした強風により、火災保険の対象となっている建物や家財に損害が生じた場合に保険金を受け取ることができます。例えば、台風による強風で屋根瓦が飛んでしまった場合や強風により飛んできた物が外壁にぶつかって外壁が破損した場合などでは風災補償の補償対象となります。
また台風は毎年のように発生しており、甚大な災害をもたらすこともあります。
また、温暖化によって増加している自然災害もありますので、それに備える風災・雹災・雪災の必要性を理解する事も大切ですね。
風災で想定される被害の例
① 強風で屋根の瓦が飛んでしまった
② 強風で庭の物置が倒れ、隣家の塀を壊してしまった
③ 竜巻による風で物が飛んできて窓ガラスが割れた
④ 台風並みの暴風によりベランダが破損した
⑤ 台風で屋根瓦が飛び、そこから入る雨により家具がぬれた
⑥ 強風により自転車が倒れ破損した
⑦ 突風で自動車が横転した
⑧ 突風でカーポートの骨組みが傾斜した
⑨ 強風の影響で転んでケガをした
⑩ 竜巻とともに飛んできた木材が体に刺さりケガをした
上記の被害例は一部にすぎませんが、それでも建物や家財、人などに及ぶ風災はさまざまであることがわかります。
そして、風災で建物や家財が損害を受けたときに補償してくれる保険が火災保険です。
自動車は家財に含まれず、火災保険では補償されません。自動車保険の車両保険での補償となります。
風災による火災保険の支払い状況
風災よる被害に対する火災保険の支払い件数は他の被害と比べても一番多い事がわかります。
事故種別 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|---|
火災、破裂・爆発 | 6,932件 | 7,154件 | 7,086件 | 6,896件 | 7,762件 | 7,916件 |
落雷 | 20,227件 | 28,478件 | 26,987件 | 28,637件 | 36,947件 | 37,889件 |
風災・雹災 | 87,933件 | 171,416件 | 819,484件 | 497,798件 | 196,418件 | 170,134件 |
雪災 | 45,331件 | 68,667件 | 16,978件 | 9,205件 | 78,748件 | 85,768件 |
水災 | 1,907件 | 3,086件 | 9,902件 | 21,330件 | 4,444件 | 2,757件 |
水濡れ | 38,290件 | 42,470件 | 42,058件 | 47,499件 | 57,693件 | 57,868件 |
盗難・衝突など | 162,942件 | 198,641件 | 189,165件 | 211,821件 | 277,111件 | 292,915件 |
合計 | 363,562件 | 519,912件 | 1,111,660件 | 823,186件 | 659,123件 | 655,247件 |
火災保険の風災補償とは
火災保険に加入すると、風災による被害は基本補償に含まれているのが一般的で「風災・雹災・雪災」がセットになっています。そのため、いずれかの災害が原因で建物や家財が所定の損害を受けた場合、補償が受けられます。
風災をさらに詳しく解説
「自然災害の風災」で想定される10パターンの被害例をもとに「火災保険の風災」で補償される内容について解説します。
まず、「火災保険の風災」として認められるものについて見てみましょう。
「火災保険の風災」で補償される損害は、強風や台風など風が原因で発生した場合です。
また、火災保険では、保険の対象を建物のみ、家財のみ、建物と家財の3つの中から選びますが、保険の対象をどのように選択するかによって、風災に遭ったときに補償される損害が異なります。
保険の対象を建物のみとした場合、建物本体だけでなく、建物がある敷地内に設置されたもので、かつ保有しているものは補償されます。床暖房やトイレ・システムバス・システムキッチンなどのように、建物のなかにあるものでも動かせないものは建物とみなされます。
保険の対象を家財のみとした場合、建物がある敷地内に収容される家財が補償されます。
家具やテレビ、冷蔵庫などの家電製品、自転車など生活用動産が該当します。
保険の対象を建物と家財とした場合は、建物のみと家財のみの両方が補償されます。
建物に含まれるもの
建物とは、地面に定着していて屋根と柱または壁があるものをいいます。
屋外設備・装置でも、基本的に住居付属であれば保険の対象に含まれることもあります。
屋外設備・装置については、ほかにも保険会社によって異なる規定がありますので、対象となるか確認することが大切です。
屋根や建物の基礎部分など、建物に固定されているものは「建物」に含まれます。
家財に含まれるもの
家財とは、建物の内部に収容されている、被保険者(保険の対象となる人)が所有する家財をいいます。
家財に含まれないもの
現金・預貯金の通帳・キャッシュカード・自動車・バイク・原付自転車など
火災保険の風災補償が受けられないのはどんなとき?
「火災保険の風災」で補償が受けられない主な例としては、次のようなものがあります。
風災によらない吹き込みまたは雨漏りなどによる損害
通風口や窓の隙間などから雨などが吹き込み、室内に損害が生じた場合は、「火災保険の風災」とみなされません。補償の対象となるのは、風災が原因で、建物の外側の部分(外壁、屋根、開口部など)が破損し、そこから雨などが吹き込んだり雨漏りしたりする場合に限ります。
自然または摩擦などで劣化した場合
建物の経年劣化や老朽化によって、建物内部や家財に水ぬれなどの損害が発生した場合は、補償の対象にはなりません。老朽化で家に隙間ができてしまったとしても、老朽化に対応する保険はないので、家のメンテナンスは定期的にしていきましょう。
事故が起こってから保険金請求まで3年以上たった場合
保険金の請求期限は保険法で3年とされているため、被害に遭ったら速やかに保険会社に連絡しましょう。保険会社によっては、法律とは異なる請求期限を設けていることもあるため、保険請求期限の時効についてあらかじめ確認しておくと安心です。風災補償を付けていることを忘れていた、そもそも火災保険に入っていることを知らなかったなどの理由で事故の連絡が遅れてしまった場合、時効が過ぎてしまっていても請求が認められる可能性もありますので、保険会社に問い合わせてみるといいでしょう。
火災保険申請の申請方法・流れ(火災保険申請サポートの利用)
~保険金の申請から給付(受給)までは平均1ヶ月~2ヶ月程度~
- WEB・お電話からお申込
- 調査日の調整
- 現地調査
- 保険会社に申請(事故受付)
- 保険会社へ書類の提出
- 保険会社による審査・現地調査
- 結果の通知、給付金の支払い
- 火災保険申請サポートの報酬の支払い
申請内容が認められないなどの理由で、保険金が受け取れなかった場合は一切費用はいただいておりません。
まとめ
この記事では、火災保険の「風災」について解説してきましたが、あなたのお家が「火災保険が適用可能か」を無料で調査してもらえますので、自分では認識のない損害が見つかる可能性があります。
認定された保険金の使い道も自由になります。もし火災保険の申請をお考えであったり、ご自宅で眠っているだけという場合は一度ご相談ください。
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