いよいよ台風シーズンが近づいてきました。台風が通過した後に気づいたら「雨漏り」がしていたということはないでしょうか?
台風で雨漏りしてしまったときに、どのように対処すべきか、火災保険はどんなときに使えるのか解説していきます。
・台風被害で雨漏りをした際に確認すべきこと
・火災保険が使える適用条件
・火災保険の申請のコツ
台風で雨漏りした時の初期対応
台風で雨漏りしてしまった場合、修理代が頭をよぎるのではないでしょうか。しかし、雨漏りを放置すると、建物の寿命を大幅に縮めることになりますので、放置することはできません。
まずは建物のどこから雨漏りしているのかを確認することが大切です。(原因究明)
台風で大雨が降っている時に、屋内で確認できるものは、『その時の様子を写真や動画に残しておく』ことが大事です。その後、台風が通過した後に、屋外の被害箇所の確認をして下さい。
雨漏りのしやすい場所
- 屋根の破損からの雨漏り
- 外壁の破損からの雨漏り
- 雨どいの詰まりや破損からの雨漏り
- 換気口からの雨漏り
- 窓、サッシの隙間からの雨漏り
屋根の破損からの雨漏り
屋根の形状にもよりますが、雨漏りの原因は屋根の破損から発生する事例が多いです。
- ・瓦屋根(瓦の割れ、剥がれ、瓦の下の漆喰の割れ)
- ・ストレート屋根(屋根材の割れ、剥がれ、コーキング材の剥がれ)
- ・金属系屋根(屋根の板金の浮き、釘抜けによる隙間からの浸水)
など
ただし、屋根の上は高所となり、不慣れな方が屋根の上に登って点検をするのは大変危険ですので、ご自身で登るのは控えてください。
外壁の破損からの雨漏り
台風で飛ばされてきた飛来物の衝突により、外壁に亀裂や穴が空くことで、雨水が侵入してくることがあります。また、外壁塗装の劣化で、内壁に浸水してくることもあります。
雨どいの詰まり、破損からの雨漏り
雨どいの詰まりや破損、歪みも、雨漏りにつながります。排水がうまくできないと雨水は隙間のあるところに流れていきますので、建物内に浸水してくる可能性があります。
換気口からの雨漏り
換気口や換気扇は、空気の入れ替えの為に設置されていますが、台風時の横から吹き付ける様な大雨のときには、換気口から雨水が逆流してくることもあります。
また、防水剤やコーキング材の劣化が原因となって、換気口の継ぎ目から雨水が侵入してくることもあります。
窓、サッシの隙間からの雨漏り
窓やサッシは、雨水が侵入してこない作りになっていますが、強風に煽られて隙間から雨水が侵入してくることがあります。窓やサッシも古くなってくると、パッキンやコーキング材の劣化で雨水が侵入してくることもあります。
雨漏りが及ぼす被害
雨漏りが建物に及ぼす影響は、天井や壁に雨染みができてしまったという見栄えだけの問題だけではありません。雨シミができているということは、天井や内壁にはしっかりと雨水が染み込んでしまっていることになります。
天井や内壁などに雨水がしっかりしみ込んでしまっているということは、建物が腐食してしまい、カビが大量に発生することによって、健康に被害を及ぼすことや、耐震性が下がったり、腐食部位にシロアリが発生することもあります。
室内から雨漏りが確認できるということは、それだけ重大なことだと認識しておく必要があります。
雨漏りの修理費用
雨漏りといっても、建物のどこから浸水しているのか原因は様々であり、雨漏り箇所によって修理費用は大きく変わりますので、費用は未知数になります。ちょっとした補修程度であれば、数万円で済みますが、屋根を全面的に直すとなると、どんなに安く見積もっても100万円以上の修理費用はかかってしまいます。
この場合、高額な工事となりますので、もちろん自費で直すのも結構ですが、火災保険の活用をすることが最も負担を減らすことにつながります。
火災保険で修理ができる適用条件
台風被害で火災保険が適用できる条件を解説します。
台風被害での適用条件
台風被害で建物に損害が出た場合、「風災補償」で認定を受けることができます。
風災=強風によって損害
風災として認定される風の強さは、最大瞬間風速20m/s以上の強風が3秒以上吹いた場合とされています。
近年は台風が上陸することも多く、ほぼ間違いなく20m/s以上の強風は吹いています。しかし、注意が必要なのは、あくまで風による被害に対して認定されるということです。
また、台風の時は、大雨もセットになることがありますが、大雨が原因で出た損害に関しては補償の対象外であり、「水災」補償が対象となります。
「それじゃ、雨漏りは対象外なの?」と思われるかもしれません。
雨漏りにつながった原因がなんなのか?(強風であれば、風災として認定)
- 台風による強風で屋根瓦が飛ばされて雨漏りした
- 台風の強風で飛ばされてきた飛来物が外壁を破損させ、その隙間から雨漏りした
など
雨漏りになった主原因が強風であれば、火災保険の適用をすることができます。
経年劣化は対象外
建物の雨漏りは、紫外線や風雨による塗装の劣化、防水シートの劣化、コーキング材の劣化など、経年劣化によって発生することも多く、この場合、火災保険の適用対象外となります。
しかし、台風が原因なのか、経年劣化が原因なのか、建物の専門家でなければ見分けることは非常に困難です。実際に、素人目には経年劣化と思われる様な事例であっても、プロの目で判定すると風災として認定されている事例は多数あります。
建物の修繕費用は高額のため、自己判断で経年劣化とせず、一度専門家に診断をしてもらうことをお勧めします。
火災保険申請の流れ
火災保険の申請は、契約者本人が行う必要があります。
代理人での申請はできませんのでご注意ください。
- STEP1 保険会社への連絡(事故受付)
- STEP2 修理業者への連絡・見積もり依頼
- STEP3 書類(保険金申請書・事故状況報告書)の作成
- STEP4 保険会社へ書類送付(審査)
- STEP5 承認結果・保険金の受取
- STEP6 修理業者との打ち合わせ・修理
申請には、自然災害である証明書や、修理に必要な見積書などを保険会社に提出しなければならなく、建物に詳しい専門業者の協力が必要になります。
また、申請後には保険会社の審査があり、保険会社から鑑定人が損害箇所の確認をしにきます。
申請書類と照らし合わせて保険会社が認定額を決定しますが、審査結果によっては認定がおりなかったり、減額されることがあります。その為、火災保険に関する知識がないと、申請を行って希望通りの認定を得るのは容易ではありません。
認定率や認定額も専門家がいるのといないのとでは大きく差が開きます。
上手に火災保険を活用するコツ
「火災保険の申請」と「建物の修理」は分けて考えるということです。
先に火災保険を申請して、修理に必要な予算を確保してから修理を考えることです。予算内でできる修理を工事業者に相談すれば、後からトラブルになることを回避することができます。
まとめ
台風で雨漏りをしてしまった場合、その原因は様々であり、特に築年数が経過していると、経年劣化なのか台風なのか原因の判別も非常に難しくなりますので、一度専門家による診断をおすすめします。
また、雨漏りを放置することはマイホームの寿命を縮めてしまったり、カビが発生して健康を害する可能性もありますので、目に見えてわかる雨漏りがあるならば、火災保険を使って計画的に修繕計画を立てましょう。
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